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はしか感染 東京にも拡大中 『わたしはワクチン必要?』チェック表 

はしか感染 東京にも拡大中 『わたしはワクチン必要?』チェック表 

 

ゴールデンウィークの人の往来とともに、全国的に麻疹(はしか)の感染が広がっています。

 

3月に台湾から沖縄を訪れた旅行者が感染源とされる今回のはしかは、2018年5月4日時点で、沖縄県で90人、愛知県で15人など、すでに1都1府9県で100人を超える患者数が報告されています。

 

↓東京にも広まっているとのニュースも新たにあります

『沖縄県で流行しているはしかに、東京・町田市の30代の女性が感染したと見られることがわかり、厚生労働省などは一連の流行が東京にも拡大したと見て、注意を呼びかけています。

女性は4月23日に町田市内の医療機関を訪れていて、この医療機関には、同じ日に沖縄からの旅行者が体調不良で受診して、その後、はしかに感染していたことがわかったことから、女性は沖縄で流行している一連のはしかに感染したと見られるということです。

ことし3月から沖縄で流行がはじまり、愛知県にも広がったはしかは、さらに東京に拡大したことになり、一連の流行での患者数は112人になりました。』

NHK

 

はしかは先進国はもちろん南米大陸や中東でも撲滅されており、定期的に流行するのは日本以外にはアジア、アフリカなどの開発途上国に限られ、日本は長く“はしか輸出国”という不名誉なイメージを持たれていました。

 

今も特にワクチンを1回しか接種していない、20代から40代の“1回世代”は注意・チェックが必要です。

那覇空港には注意喚起の文書が 沖縄新報

 

「はしかの特徴は、その感染力の強さです。空気感染、飛沫感染、接触感染などさまざまな感染経路があり、マスクでは防げない。人の体内に入り込むと、免疫を担う全身のリンパ組織を中心に増殖し、強い免疫機能抑制状態を引き起こす。麻疹ウイルスだけでなく、他のウイルスや細菌により合併症を引き起こし、重症化することもあります。死に至るケースはまれですが、先進国でこれほどの感染者が出る国は日本以外にありません」(都内の内科医)

「07年、08年と2年連続で大学生を中心にはしかが大流行し、社会問題となりました。修学旅行でカナダを訪れた高校生が発症し、参加者全員が現地の保健当局からホテルでの待機を命じられ、飛行機の搭乗も拒否されるという事態に発展したのです」(医療ジャーナリスト)

「週刊文春」編集部

 

 

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はしか(麻しん)とは

 

「はしか」は医学的には麻しんと呼ばれ麻疹と記載されることもあります。はしか(麻しん)ウイルスに感染することによっておこる伝染病です。人から人へ直接うつり、伝染力が非常に高い病気です。

 

その昔、日本においては「疱瘡は見目定め、麻しんは命定め」と言われていたそうです。これは「天然痘は痘痕(あばた)を残し見た目が悪くなる、麻しんは生命の危機である」という事です。

 

60年くらい前までは、子どもが元気に3歳頃まで育ってそれから出生届を出すというように、子どもが小さい頃に死んでしまうことが珍しくない時代がありましたが、その原因のひとつに“はしか”の存在がありました。

 

 

潜伏期間(感染してから発病するまでの期間)

 

10~12日程度

 

症状

 

まず熱や咳、鼻汁、めやになどで始まり、目の充血や口の粘膜の発赤などが目立ちます。口の中の粘膜に白いブツブツ(コプリック斑)が見られることもあります。

 

3日ほど経った頃、一旦熱が軽くなりますがすぐまた高熱となります。

 

その頃から発疹(ブツブツ)が出てきます。発疹は耳の後ろから始まり次第に全身に広がります。発疹が出始めて3~4日経つと熱は下がり、発疹は次第に黒ずんだ色に変わってきます。

 

 

①はしか顔貌

 

顔面に発疹があり、口、鼻、目も赤く腫れている。鼻水、目やにも見られる。

 

②はしかの発疹

 

発疹は首すじや耳のうしろ辺りから始まり、翌日には顔や体幹部、そして四肢末端にまで、遠心性に広がっていきます。

 

③はしかの発疹

 

発疹が体幹部から四肢に広がり、体幹部の発疹は燃えるような勢いである。はしかのピークの状態。

 

④はしかの発疹

 

発疹は出た順序で薄くなっていく。体幹部の発疹が薄くなり、はしかのピークを過ぎるところ。発疹が消えると熱も下がる。


コプリック班
(国立感染研HPより):頬粘膜に見られる白い斑点。

 

合併症

 

肺炎、中耳炎、クループ症候群などは高頻度に起こる合併症です。その他に心筋炎、脳炎(2000例に1~2例)などがあります。合併症は全体の約30%に起こると言われています。

 

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)

 

 

はしかの後、7~10年で発症する中枢神経疾患です。平均して6~9ヶ月で死亡します。麻疹罹患者の10万例に1人発生し、治療法のないとても恐ろしい合併症です。このSSPEはワクチン接種でもごくまれに起きると考えられていましたが、そのデータは、はしかが流行していた時のもので、ワクチンによりSSPEになったと証明されたものはありません。

 

ワクチンによりSSPEになったと考えられていた患者さんからは、野外(自然)感染を起こすはしかウイルスの遺伝子が証明されています。

 

“誰もが一度は通る道”という意味で「それは、はしかのようなものだよ、、、」という表現がよく使われますが、言葉の雰囲気とは異なりはしかは非常に危険な病気です。上記の合併症などのために入院が必要になることは珍しくなく、現代の医療水準をもってしても1000人に1人は亡くなると言われています。沖縄県においては平成10年7月~11年9月の約一年間に8名の乳幼児が亡くなりました。(その後平成12年10月~13年10月の流行期にも1名が亡くなっています)

http://www.osh.or.jp/hashikazero/what/index.html

 

 

予防法

 

はしかの予防策はワクチン接種以外になく、日本で流行する原因はその不徹底にあります。今年はしかを発症した人の多くは20代から40代で、この世代はワクチンを1度しか接種していない「1回世代」と呼ばれています。

 

 

「はしかの予防接種は06年以降、1歳児と小学校入学1年前の2回受けるようになっています。1回しか受けていない人は、2回受けた人に比べて免疫が弱まる傾向があるとされます。インフルエンザと比べて10倍と言われる感染力ですから、『1回世代』の皆さんはもう1度予防接種を受け、予防に努めていただきたい」(内科医)

「週刊文春」編集部

 

 

予防接種

 

1976(昭和51)年以前に生まれた人は、子どもの頃にワクチン定期接種が行われていませんでしたが、これまでに自然にはしかにかかっている可能性が高いです。免疫を持っていると考えられるので、ワクチン接種の必要性は低いと言えます。

 

はしかワクチンは1978年10月から定期接種となり、子どもを対象に接種が進められてきましたが、当初は1回だけの接種とされていました。しかし、実は1回接種では免疫が十分につかないことが分かってきました。

 

1977(昭和52)年から1990(平成2)年に生まれた人は、定期接種1回時代に子どもだった人たちで、免疫が低い可能性があります。低い場合は、修飾麻しんといって、本人は比較的軽い症状で済みますが、周囲に感染させてしまう恐れがあるので、2回接種が必要です。厚労省や県は学校、保育施設関係者、医療従事者、家族に妊婦がいる人など、かかると重症化する人と接する機会の多い人は2度目の接種が必要としています。妊婦や妊娠の可能性がある人はワクチン接種できません。

 

1991(平成3)年以降に生まれた人のうち、現在1歳児は1期定期接種でした。

 

最新の2012(平成24)年4月2日~13(平成25)年4月1日生まれは、はしかを日本からなくすため法律が改正され、平成18年6月より小学校入学前の2回目接種が加わり2回接種となりました。

 

現在のはしかの定期予防接種は次の通りです。

 

 

1期:1歳代(1歳の誕生日から2歳の誕生日の前日まで)
2期:小学校入学前の1年間

接種対象期間を過ぎると自費接種になり、予防接種代は約1万円です。
対象年齢になった時には必ず受けて下さい。

 

特に沖縄県内は2期の接種率が低くなっているそうで、県は早めの接種を呼びかけています。

 

『わたしはワクチン接種必要?』かどうかのチェック表

 

琉球新報の記事に分かりやすい表が載っていました。

出典 琉球新報

 

ワクチン

 

はしかの予防接種に使用されるワクチンは、はしか・風しん混合ワクチン(MRワクチン)を使用します。このMRワクチンは、これまで、はしかや風しんに罹った人にも使用出来ますし、また、はしかや風しんに罹ったと思い込んでいる人も救うことができます。

 

これははしかと風しんはともに発疹が出る病気ですが、時には診断が難しいことがあるためです。このような接種方式の安全性は世界的に確認されています。

 

予防接種の健康被害

 

予防接種による恩恵は計り知れないのですが、ワクチンの健康被害を心配される方もいると思います。 ワクチンは世界で最も調査されている薬のひとつであり、必要なら改良されており、安全性に対する関心は今後もなくなることはありません。

 

 

本当の意味での健康被害は非常にまれであることが分かっています。 ワクチン接種後の健康被害が本当にワクチンによるものかの判断は、非常に難しいのですが、因果関係が完全に否定されない限り、健康被害の救済を受けることができます。

 

定期接種では、予防接種法で健康被害の補償が手厚く決められており、健康被害を少しでも心配される方は、国が決められた定期接種の期間内に 予防接種を受けることが大切です。

 

我が国では、残念ながらこの健康被害に対するアレルギーから、様々な病気に対する予防接種が大きく遅れてしまいました。世界では、はしかに限らず予防接種で子どもたちを恐ろしい病気から守ることが進んでいます。

詳しくは『はしかゼロ』ホームページをご覧下さい。

 

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まとめ▼

ワクチンで免疫を獲得すればはしかにはかかりません。また、1度感染すれば2度とかからないという予防しやすい感染症です。

自分が感染をしない&させないためにも、まず自分に免疫があるのかないのか、把握し、必要であれば早めの予防接種をお勧めします。